11.光合成細菌RAP99の抗アレルギー作用評価 | 専門家向け

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<卵白アルブミン誘発アレルギー試験を用いた光合成細菌RAP99菌体によるTh1/Th2インバランス是正確認試験>

試験実施者:東北薬科大学(現:東北医科薬科大学)石川正明教授

【目的】

本試験では、卵アルブミン誘発アレルギー試験を用いた試験により、光合成細菌RAP99菌体試料をマウスに経口投与し、卵アルブミンによるアレルギー反応におけるTh1/Th2バランスに与える影響を評価することを目的とした。

【試料と方法】

(1)光合成細菌RAP99菌体試料の調整

マウス飼育用粉末飼料(日本クレア社製、CF-2)に、0.1重量%の割合で光合成細菌RAP99菌体の凍結乾燥粉末を加え、菌体含有飼料を調製した。

(2)血清中IgE測定

生理食塩水0.2mLに卵アルブミン(grade V、シグマ社製)2mgを溶解後、水酸化アルミニウムゲル(No.019-19501 Lot WKJ4431、和光純薬社製)2mgを加えて懸濁させ、卵アルブミン/水酸化アルミニウムゲルを調製した。

経口投与試験には、4週令のBALB/c系雌性マウス(日本エスエルシー社製)5匹を用いた。前記各マウスに、前記菌体粉末10 mg/kg, p.o.を、1日1回、2週間投与した。そして、光合成細菌RAP99菌体試料の最終投与日に、卵アルブミン/水酸化アルミニウムゲルを腹腔内に投与した。

さらに、前述の最終投与日から10日後に追加免疫を行い、追加免疫から1週間後に採血した。採取した血液から血清を回収し、ELISA Kit(Bethyl Laboratories社製)のプロトコールに従い、前記血清中のIgE量を測定し、5匹の平均値を算出した。

(3)血清中IL-4測定

この測定では、4週令のBALB/c系雌性マウス(日本エスエルシー社製)2匹を用いた以外は、前述の血清中IgE量測定と同様にして、光合成細菌RAP99菌体試料を経口投与、また卵アルブミン/水酸化アルミニウムゲルを調製して腹腔内投与し、採血した。

そして、採取した血液から血清を回収し、IL-4、マウス、ELISA Kit(96ウェル、Bethyl Laboratories社製)のプロトコールに従い、血清中のIL-4量を測定し、2匹の平均値を算出した。

(4) 脾臓細胞の培養上清中サイトカイン量測定

この測定では、4週令のBALB/c系雌性マウス(日本エスエルシー社製)3匹を用いた以外は、前述の血清中IgE量測定と同様にして、光合成細菌RAP99菌体試料を経口投与し、卵アルブミン/水酸化アルミニウムゲルを調製して腹腔内投与した。

そして、追加免疫から1週間後に脾臓を摘出した。脾臓細胞及び卵アルブミン100μg/mLを添加したRPMI 1640培地(Gibco Laboratories社製)中に5×106細胞/mLの密度に懸濁し、空気95%、二酸化炭素濃度5%、37℃条件下で3日間培養した。

培養終了後、培養上清を回収し、ELISA Kit(Bethyl Laboratories社製)のプロトコールに従い、上清中のIFN-γ、IL-2、IL-4およびIL-5量を測定し、3匹の平均値を算出した。

【結果・考察】

(1) 血清中IgE測定結果

図1に血清中のIgE量の測定結果を示す。光合成細菌RAP99菌体試料を経口投与したマウスでは、未投与のマウスに比べ血清中のIgE量が低減した。

血清中IgE測定結果

図1 マウス血清中のIgE量

 

(2) 血清中IL-4測定結果

図2に血清中のIL-4量の測定結果を示す。光合成細菌RAP99菌体試料を経口投与したマウスでは、未投与のマウスに比べ血清中のIL-4量が低減した。

マウス血清中のIL-4量

図2 マウス血清中のIL-4量

(3) 脾臓細胞の培養上清中サイトカイン量測定結果

図3~6に、マウスの脾臓細胞の培養上清中のIFN-γ、IL-2、IL-4及びIL-5量の測定結果を示す。光合成細菌RAP99菌体試料を経口投与したマウスでは、未投与のマウスに比べ、Th1型サイトカインのIFN-γおよびIL-2量が増加し、Th2型サイトカインのIL-4およびIL-5量が減少した。

マウス脾臓細胞の培養上清中のIFN-γ

図3 マウス脾臓細胞の培養上清中のIFN-γ

 

図4 マウス脾臓細胞の培養上清中のIL-2

 

マウス脾臓細胞の培養上清中のIL-4

図5 マウス脾臓細胞の培養上清中のIL-4

 

マウス脾臓細胞の培養上清中のIL-5

図6 マウス脾臓細胞の培養上清中のIL-5

(4) 考察

アレルギー反応は、Th2優位により惹起される。前述の血清試料を用いた(1)及び(2)の結果から、IgE量が抑制され、さらにTh2型サイトカインであるIL-4量が抑制されたことから、光合成細菌RAP99菌体試料の経口摂取により、Th2型サイトカインの分泌を抑制し、アレルギー反応を惹起するTh1/Th2のインバランスを改善することが示唆された。

(3)の脾臓細胞培養試料を用いた結果においても、光合成細菌RAP99菌体の経口摂取により、Th2型サイトカインの分泌が抑制される結果として、Th1/Th2のインバランスを改善し、抗アレルギー作用を示すことが示唆された。

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